羅生門

羅生門 芥川龍之介  ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。  広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。羅生門が、朱雀大路にContinue reading… 羅生門

あばばばば

あばばばば 芥川龍之介  保吉はずつと以前からこの店の主人を見知つてゐる。  ずつと以前から、 ― 或はあの海軍の学校へ赴任した当日だつたかも知れない。彼はふとこの店へマツチを一つ買ひにはひつた。店には小さい飾り窓がありContinue reading… あばばばば

蜘蛛の糸

蜘蛛の糸 芥川龍之介 一  ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とContinue reading… 蜘蛛の糸