うたよみじゃうご

0065)煩悩の数も撞くとや除夜の鐘一夜限りで消さましきものを

煩悩の 数も撞く/尽くとや  除夜の鐘   一夜/人世限りで 消さましき/今朝も悪しきものを   『大晦日の夜に百八つ撞く除夜の鐘は、人間の抱える煩悩の数だけ撞くのだと聞くが、本当に百八つだけで人間の煩悩の数が終わりにな [...]

0064)出で来るに時を選ばぬ物思ひ憂くも嬉しく書き出だしけり

出で来るに 時を選ばぬ  物思ひ   憂く/浮くも嬉しく 書き出だしけり 『思い煩う想念は、いついかなる時にいきなり出て来るかわからない。それは憂鬱で煩わしい想いではあるけれども、そんな憂愁の念が脳裏に浮かぶのがまた嬉し [...]

0063)頼り無き身をば互に思ひつつ暮るる師走の文優しかり

便り無き/頼り無き 身をば形見に/互に   思ひつつ    呉るる/暮るる師走の 文優しかり/恥しかり 『今年もまた目立った消息を聞くこともないまま年の瀬を迎えてしまったが、せめてこの手紙を、離れて会えぬ自分自身の代わり [...]

0062)犬猫も 親同胞は 在りけむを 宵闇独り 何処消ゆらむ

犬猫も 親同胞は  在りけむを   宵闇独り 何処消ゆらむ 『犬や猫にだって、親兄弟は当然いただろうに、夜の闇の中、ひとりぼっちで一体どこへ消え行こうとするのか?・・・待っている誰かはいるのだろうか?』 ← 前章へ戻る  [...]

0061)月影に 氷る心の 人ならで 見守られてぞ 有りし我等よ

月影に 氷る心の  人ならで   見守られてぞ 有りし我等よ 『目立って立ち回る人ではなく、冷たい気持ちのように見えることさえある人だったが、実は温かい心で、陰ながら我々を見守ってくれていた、そんな月下氷人のあの人がいて [...]

0060)愛し児は 傅き果てむも 愚かなり ねぶる末の世 如何ゆかしき

愛し児は 傅き果てむも  愚かなり   ねぶる/睡る末の世 如何ゆかしき 『可愛い我が子は、どこまでもいつまで永遠に大事に育ててやりたいと思っても、所詮そんなことはできはしない。そんなことをしようとするのは愚かなことだ。 [...]

0059)羽ばたくに 重き縁に 立ちかねて 交はす羽の緒 長くともがな

羽ばたくに 重き縁/え西に  断ち/立ちかねて   交はす羽の緒 長くともがな 『君を捨ててまで雄飛を目指して意気込んでいた自分だが、君との絆の重さに、これを断ち切ることはできなくて、西へと旅立つ決意も失せた。今はこうし [...]

0058)物思ふ 事無き列の 千歳より 刹那常磐の 今ぞ尊き

物思ふ 事無き列の  千歳より   刹那常磐の 今ぞ尊き 『ろくに物事も考えない連中の千年分よりも、一瞬が永遠と言える私の今の方が立派な価値がある。』 あるいはまた:   『人を愛す・・・ただそれだけの事で、一瞬一瞬が永 [...]

0057)見交はせば 言も次第も 有るべきか ここだ恋しき あなた在りせば

見交はせば 言/事も次第も  有るべきか   ここだ/此処だ恋しき 貴方/彼方在りせば 『(貴方は、色々と事情があるとか、逢い引きにも然るべき手順があるとか言うけれども)二人出会ってお互いの顔を見つめ合ってさえおれば、そ [...]

0056)言の葉の 間わりなう 胸早み 知れる思ひの あな目覚ましや

言の葉の 間わりなう  胸早み   知れる/痴れる思ひの あな目覚ましや 『言葉がふと途切れたその合間に、理由もなく無性に胸がどきどき高鳴ってきて、それで初めてわかった・・・(ああ、自分はこの人に恋してるんだ)って・・・ [...]

0055)射干玉の 闇に渡らふ 白鳥は 著しも虚し 夜にてあるかも

射干玉の 闇に渡らふ  白鳥は   験/標・印・証・著しも虚し 夜/世にてあるかも 『真っ暗な闇の中を渡って行く白鳥は、目にも鮮やかなその純白の色の効果(価値・甲斐・目印・証拠)も効き目がないことだなあ、漆黒の夜の中とあ [...]

0054)惜しむ名も 無き身頼みて 甲斐無くば 恨む仇とて 無くとこそ知れ

惜しむ名も 無き身頼みて  甲斐無くば   恨む仇/徒とて 無く(泣く)とこそ知れ 『相手の信頼を裏切ることで失うことになる名も名誉もないような相手を信頼して、その結果期待はずれで虚しいことになったとしても、恨むべき相手 [...]

0053)夢枕立たる/断たる形のけやけきに猶恨まるる朝明なりけり

夢枕 立たる/断たる形の  けやけきに   猶恨まるる 朝明なりけり 『現実の世界の中ではもう会う機会を断たれてしまったあの方が、夜の夢の中、私の枕元に降り立って下さった。その姿は夢とは思えぬほどにはっきりとして、清く澄 [...]

0052)才無がり才がる烏滸に如かめやも烏滸たる者に贈る物無し

才無がり 才がる烏滸に  如かめやも   怠る者/烏滸たる者に 後る者/贈る物無し 『「私、バカですから。」などと、他人の前で自分を卑下することで、とんでもない事を平然としでかす口実にしている自称バカの連中は、自分で自分 [...]

0051)掻い餅 思い着くとて 食はるるか 捏ねて搗きてぞ 万所得

掻い餅 思い着くとて  食はるるか   捏ねて搗きてぞ 万所得 『頭の中で思い着いたから、と言って、絵空事の掻き餅が食えるだろうか?食えはしない。実際の杵と臼を使って餅米を捏ねて搗いてを繰り返して初めて、口にすることがで [...]

0051)かいもちひおもいつくとてくはるるかこねてつきてぞよろづせうとく

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0050)忠実ならで 生きる術とて 無き身には 妬しともなき 縁なる人よ

忠実ならで 生きる術とて  無き身には   妬し/寝たしともなき 縁/艶なる人よ 『私のように、実直に生きる以外に生きる手段のない人間にとっては、とくに羨ましい(一夜を共にしてみたい)とも思えない、あなたはそんな無縁の( [...]

0049)何の為 惑はば辛き 草草も 専と汝が為 物す我なり

何の為 惑はば辛き  草草も   専と汝が為 物す我なり 『一体何のために自分はこんな辛いことをしているのだろう、と、疑問を持ってやったとしたらしんどい様々な物事でも、これはひたすらあなたのためにやっているのだ、と思って [...]

0049)なんのためまどはばつらきくさぐさもひたとながためものすわれなり

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0048)怪しうぞ恋痴れ惑ふ事尽きてふと思へらく我も旧るかな

怪しうぞ 恋痴れ惑ふ  事尽きて    ふと思へらく 我も旧るかな 『異様なくらいに激しい恋をして頭も変になり途方に暮れる、などという事もなくなって、不意に気付いて思うことは・・・私も年を取って、かつての新鮮さが失われて [...]

0047)頼らるる 苦を楽と成す 人ならで 何の快楽を 一人尽くさん

頼らるる 苦を楽と成す  人ならで   何の快楽を 一人尽くさん 『その人に頼られているのだから、頑張らねば、と思えば、苦しいことも楽しく思える、そういう魔法のパートナーあってこそ人生は楽しい。共に楽しむ相手もなしに、一 [...]

0046)言葉のみ頼り過ぐすは烏滸なれや誠宿るは行なひなりけり

言葉のみ 頼り過ぐすは  烏滸なれや   誠宿るは 行なひなりけり 『口先ばかりに終始する言葉というものを、あまり信頼し過ぎて生きるのは、愚か者のすることでしょう。本当の心というものは、行動の中にこそ宿るものなのです。』 [...]

0046)ことばのみたよりすぐすはをこなれやまことやどるはおこなひなりけり

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0045)知る者の 斯くとこそ知る 痴れ言の 心有る身に いかで苦しき

知(痴)る者の 斯く(書く)とこそ知る  痴れ言の   心有る身に いかで苦しき 『物事の真の姿を見抜く能力のある者が見れば、これは愚か者の書いた戯言だ、と認識できるようなくだらぬ物事は、道理を弁えた人間にとってみれば、 [...]

0044)在り経りの 重み形振り 狂はせて 渡る慣らひの 斜めなるかな

在り経りの 重み形振り  狂はせて   渡る慣らひの 斜めなるかな 『ただそこに存在しているから、あるいは長年存在し続けてきたから、というだけの理由で、つまらない物事でもそこに重みが生じてしまうので、その存在や伝統の重み [...]

0044)ありふりのおもみなりふりくるはせてわたるならひのなのめなるかな

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0043)問ふ人も無しと思はば斯くやある並べて世に問ふ問はず語りよ

問ふ人も 無しと思はば  斯く/書くやある   並べて世に問ふ 問はず語りよ 『聞いてくれる人が誰もいないと思ったら、こんな風に書いたりするだろうか?いや、すまい。取り立てて誰に語るというのではなく、世界中の全ての人を相 [...]

0042)笑み交はすともなく然りても斯く在るは現事なる昔なりけり

笑み交はすともなく/友無く然りても/去りても  斯く在るは/描く。有るは    現異なる/現事なる昔なりけり   『誰とにっこり微笑み交わし合うでもなく、それでもこうして私は存在している・・・今、目の前にある現実とは違う [...]

0041)言ひさして ゆかしがりけむ 人ありし 昔の夢を 今は誰ぞ聞く

言ひさして ゆかしがりけむ  人ありし   昔の夢を 今は誰ぞ聞く 『言いかけて途中でやめると、「なになに?教えてよ。」とその先を知りたがったであろう人がいてくれた、私の昔の儚い思いを、懐かしそうにいま口に出したとて、い [...]

0040)何時しかと 今は定かに 覚えぬも 早経にけらし 昔見し日々

何時しかと 今は定かに  覚えぬも   早経にけらし 昔見し日々 『それは一体いつのことだったか、と、今でははっきりと思い出せないけれども、いつの間にやら早くも過ぎ去ってしまったようだ、輝きに満ちていた、あの懐かしい昔の [...]

0040)いつしかといまはさだかにおぼえぬもはやへにけらしむかしみしひび

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0039)数に負ふ 人は時めき 時に消ゆ 名にし実に負ふ 人ぞ尊き

数に負ふ 人は時めき  時に消ゆ   名にし実に負ふ 人ぞ尊き 『数の多さを頼りに、力ずくで事を為そうとする人は、時流に乗って栄えることはあっても、時が経てば嘘のように消え去ってしまうものだ。世間に広くその名も知れ渡り、 [...]

0038)数の利を 人の理と見る 痴れ者の 分け領る国に 人の幸無し

数の利/理を 人の理と見る  痴れ者の   分け領る/訳知る国に 人の幸無し 『数の上での優勢だの、単純明快で扱いやすい数字の上だけの理屈だのが、そのまま人間界に通じる真理である、などとみなす馬鹿者どもが、他人には分から [...]

0037)然るは 唯 亦会はん世の 急ぎとや 縁ゆかしき ゆくりなさかな

然(去)るは 唯 亦会はん世の  急ぎとや   縁ゆかしき ゆくりなさかな 『こうして慌ただしく行ってしまうとは、いずれまたあるだろう別世界での出会いに備えての準備、ということなのだろうか。縁というものの不思議な懐かしさ [...]

0036)あやなくも 文の綾取る 僻心 暮らす天下の 気色有るかも

あやなくも 文の綾取る  僻心   暮らす/暗す天下の 気色有るかも 『意味もないのに、言葉の綾を捕まえてとやかく言うような間違った心の持ち主が、大手を振るって暮らしている世の中は、暗く曇って気色が悪いことだなあ。』 ← [...]

0035)世の中は とりどりなるに 人は皆 並べて語りの あぢきなきかな

世の中は とりどりなるに  人は皆   並べて語りの あぢきなきかな 『世間というのは、それぞれがめいめい異なった個性を持っているというのに、世間の連中はみんな「およそ人間というものは皆・・・だ。」などとおしなべて全員を [...]

0035)よのなかはとりどりなるにひとはみななべてがたりのあぢきなきかな

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0034)怨みては 然もやと思ふ 身ながらも 見る目なからむ 水茎の跡

怨みては/浦見ては 然もやと思ふ  身ながら/見ながらも   見る目/海松布なからむ 水茎の跡 『逢瀬が途絶えて恨めしく思いながらも、なるほどそれも当然かもしれないな、と、我ながらそうも思ってしまう。見るからに醜悪で、逢 [...]

0033)低き雲 青き空とで 野を分きて 天の何処に 日の隠るらむ

低き雲 青き空とで 野を分きて   天の何処に 日の隠るらむ 『低く垂れ込めた雲と、まるで不似合いな青空との二つが野原を分けている、台風間近のこの天空の、一体どこに太陽は隠れているのだろうか?』 ← 前章へ戻る  『うた [...]

0032)わくらばに 月見る事も 無かりけり 見つべき物も 他に在らなくに

わくらばに 月見る事も  無かりけり   見つ/満つべき物も 他に在らなくに 『そういえば、時折月を眺めることも、久しくせずにいたものだなあ。月以外には、特に見るべきものも、満ち足りた何かも、あるわけでもないというのに。 [...]

0031)会はで猶 斯くは恋しき 縁在れば 慰みてむや 泡沫の人

会はで(泡で)猶 斯くは(描くは)恋しき  縁(絵に)在れば   慰みてむや 泡沫の人 『会うことがなくてもなおもこんなに恋しいのは、深い縁があればこそ。もやもやとした私の気持ちを和らげてくれませんか、我が愛しき恋人よ。 [...]

0030)有りぬべき 夢の形の 夜にも無み 寄する恨みも 漸凪ぎぬらし

有りぬべき 夢の形の  世(夜)にも無み(浪)   寄する恨み(浦曲)も 漸凪ぎぬらし(泣き濡らし) 『当然あるものと思っていた理想の姿が、現実の世界にもなく、このところは夢に描くことさえもなくなってしまったので、海辺に [...]

0029)有らざりし 事ある今と 有りつべき 事無き先と 何れ勝れる

有らざりし 事ある今と  有りつべき   事無き先と 何れ勝れる 『今までになかった新たな事柄が眼前に立ちはだかるたびごとに、文句を言う人はいるけれど、今までずっとあり、これからも当然あるだろうと思っていた事柄が次第次第 [...]

0028)我は唯 生きて侍りと つれなくて 書くもをかしき 折折の文

我は唯 生きて侍りと  つれなくて   書くも/斯くもをかしき 折折の文 『ただ「自分は健在ですよ」というだけのこと・・・何とも素っ気ないこんな手紙、書くのもおかしなものではあるが、折りに触れて舞い込むだけで、妙に趣ある [...]

0027)良し悪し 綾目も知らず 戯れて 頓て愛しき 猫に左右無し

良し悪し 綾目も知らず  戯れて   頓て愛しき 猫に左右(双)無し 『良いも悪いも何もわからずにじゃれあいふざけているだけなのに、それだけで可愛い猫というやつには、善悪の価値判断もなければ、並び立つ愛玩動物も他にいない [...]

0026)無下の如 地下に縛せる 主のみ 無期に守りて 居ぬ時の無し

無下の如 地下に縛せる  主のみ(の身)   無期に見守り(守り)て 犬(居ぬ)時の無し 『最低の存在であるかの如く、地べたに鎖で自分を繋ぐ主人の身を、その人の事ばかりを、じっと見守り、あるいは守り、いつも側に居て、しか [...]

0025)口の端に 宿る命も 有りと為ば 詠みに向かはむ 永久の歌

口の端に 宿る命も  有りと為ば   詠み(黄泉)に向かはむ 永久の歌 『人口に膾炙することで生まれる生命というものもこの世にはあるのだと考えるならば、悠久の時を越えて語り継がれる名歌こそは、死による滅却に対抗し得る永遠 [...]

0024)死の町か 思ひ出村か 墓と言ふは 問へど答ふる 人の影なし

死の町か 思ひ出村か  墓と言ふは   問へど答ふる 人の影なし 『墓所とは果たして、死者の来世の住み家なのか、それとも弔問客の思い出だけが眠る地なのか。問いを投げても答えを返してくれる人は誰もいない・・・少なくともこの [...]

0024)しのまちかおもひでむらかはかてふはとへどこたふるひとのかげなし

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0023)言はねばや 離れとし離れる 日々の果て 猶枯れ果てぬ 君の面影

言はねばや 離れとし離れる  日々の果て   猶枯れ果てぬ 君の面影 『はっきり「好き」と告白しなかったせい、でしょうか、どんどん疎遠になってしまった日々の果てに、今なお枯れ果てることのないあなたの面影を、胸に抱いて生き [...]

0023)いはねばやかれとしかれるひびのはてなほかれはてぬきみのおもかげ

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0022)夏は唯 生くがいみじき ものゆゑに 秋行かで詠む 歌も無かめり

夏は唯 生く(行く)がいみじき  ものゆゑに   秋行かで(飽き行かで)詠む 歌も無かめり 『夏というのは、ただひたすら生きているだけで素晴らしい季節であって、それが去ってしまうのがひどく悲しいものだから、未だ秋になるこ [...]

0021)長き夜を 飽かで明かしし 人を無み 一人向き合ふ 閨の暗闇

長き夜を 飽かで明かしし  人を無み   一人向き合ふ 閨の暗闇 『長い夜も、飽きることなく二人で明かしたあの人は、今はもういないので、一人こうして寝室の暗闇と向き合っている私なのです。』 ← 前章へ戻る  『うたよみじ [...]

0021)ながきよをあかであかししひとをなみひとりむきあふねやのくらやみ

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0020)世の為と 勇みて為すも 我の為 問ふな誰が為 皆己が為

世の為と 勇みて為すも  我の為   問ふな誰が為 皆己が為 『世の中のために、と力みかえって何かをしても、よくよく見ればそれは自分自身のためにしている事だったりする・・・が、「あなたは誰のためにそれをしているのですか? [...]

0020)よのためといさみてなすもわれのためとふなたがためみなおのがため

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0019)我はまだ 斯かりと知るや 忘れしや 会ふも中中 忘れじの人

我はまだ 斯かりと知るや  忘れしや   会ふも中中 忘れじの人 『私はいまだにこうして、あなたへの想いを抱えたまま生きている、などと、知っているのだろうか、それとももう私のことなど忘れてしまっただろうか・・・あぁ、今も [...]

0019)われはまだかかりとしるやわすれしやあふもなかなかわすれじのひと

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0018)得るほどに 失する想ひの 恐ろしさ 然れど止まれぬ 泡沫の恋

得るほどに 失する想ひの  恐ろしさ   然れど止まれぬ 泡沫の恋 『好きになって、わがものにして、でもまた冷めて、失って・・・それを思えば怖いのに、わかっていてなお止めようがない・・・束の間だけとは知りながら、恋の力は [...]

0018)うるほどにうするおもひのおそろしさされどやまれぬうたかたのこひ

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0017)火を点けて 消しもせで行く 想ひ人 見ずもあらばや 想ひ消たなむ

火を点けて 消しもせで行(生)く  想ひ人   見ず(水)もあらばや 想ひ消たなむ 『私の心に燃えるような想いを抱かせておいて、その熱い気持ち、消してくれもせぬまま、平然と生きているあの人・・・できればその姿を見ずにいた [...]

0016)雲の果て 青き美空の かなしさを 同じ心に 人も見るらむ

雲の果て 青き美空の  かなしさを   同じ心に 人も見るらむ 『雲の彼方に広がる美しい青空、その切々と心に染みる眺めを、私と同じような気持ちで、どこかであの人も見ているのだろうか?』 ← 前章へ戻る  『うたよみじゃう [...]

0016)くものはてあをきみそらのかなしさをおなじこころにひともみるらむ

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