百一005)おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき


奥山に 紅葉踏み分け
  鳴く鹿の
    声聞く時ぞ 秋は悲しき

猿丸大夫(さるまるだいふ)
男性(c.893)
『古今集』秋上・二一五

Feet deep in maple’s autumnal carpets in the mountains,
Away from crowds along with distant voice,
Heart deep in sorrow with deer crying in solo.

秋の山は紅葉の絨毯敷き詰め、
踏みしめるごとにふぁさふぁさと音がして、
奥深く分け入る我が身にも、
人里離れた物寂しさを感じさせずにはおかない
・・・そこにまた聞こえる鹿の声
・・・愛しい女鹿を恋しむ男鹿のものだろうか
・・・あぁ、彼も独り、我も一人・・・
自らの心の郷愁が彼方にこだまして、
何とも切ない秋の風情であることよ。

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