伊勢物語015)しのぶ山

伊勢物語015)しのぶ山
 昔、陸奥の国にて、なでふことなき人の妻に通ひけるに、あやしう、さやうにてあるべき女ともあらず見えければ、
  しのぶ山しのびてかよふ道もがな人の心のおくも見るべく  
女、かぎりなくめでたしと思へど、さるさがなきえびす心を見てはいかがはせんは。
以下、アンチョコ現代語訳・・・作った人は→之人冗悟(Noto Jaugo) of http://fusaugatari.com/
現代日本語訳

伊勢物語015)しのぶ山
 その昔、東北地方で、ある男が、何ということもない平凡な男と夫婦関係を結んでいる女のもとに、愛人として通ったのだが、不思議なことに、そんな田舎の凡夫の連れ合いとも思われぬような女性に見えたので、こんな歌を詠んだ。
  東北地方の信夫山、じゃないけれど、人目を忍んであなたのもとへ通う道があればいいのになぁ。愛しいあなたの心の奥底までも見ることができるように  (!訳者注!・・・この歌と次の文句の間には、明らかに、物語の欠落がある ― 幾度か通ううちに明らかになってきた女の本性に男は興醒めするものの、歌や態度の上では礼儀を尽くしつつこの女を捨て去ろうとし、一方で女はこの男に熱を上げる ― そんな第23段「筒井筒」に於ける高安郡の女の様態に似た幻滅場面が間になければ全く筋が通らない話なのだが・・・あるいはまた直前第14段「あねはの松」の「歌さへぞひなびたりける」女の話の続編という扱いなのかもしれないが・・・まぁとりあえず、古文によくある書写段階での欠落として流しておこうか)  
女の方では、この男のことをこの上なく素晴らしいと思ったけれど、このようにずけずけ明け透けに振る舞う東国の田舎人特有の野暮ったい根性を見てしまっては、男としてはどうしようもないではないか。

現代語訳著作者=之人冗悟(のとじゃうご)・・・(C)2011http://fusaugatari.com/

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