伊勢物語046)うるはしき友

伊勢物語046)うるはしき友
 昔、男、いとうるはしき友ありけり。かた時さらずあひ思ひけるを、人の国へいきけるを、いとあはれと思ひて、別れけり。月日経て、おこせたる文に、「あさましく、対面せで、月日の経にけること。忘れやし給ひにけむと、いたく思ひわびてなむ侍る。世の中の人の心は、目離るれば忘れぬべきものにこそあめれ」と言へりければ、よみてやる。
  目離るとも思ほえなくに忘らるる時しなければおもかげに立つ  
以下、アンチョコ現代語訳・・・作った人は→之人冗悟(Noto Jaugo) of http://fusaugatari.com/
現代日本語訳

伊勢物語046)うるはしき友
 その昔、一人の男に、たいへん友情の厚い友がいた。
片時も離れずお互いのことを思っていたのだが、この友が他国へ行ってしまったので、非常に残念な思いで別れたのだった。
何ヶ月か経ってからこの友が寄越した手紙の中で、「心にもなく、お会いすることもないままに何ヶ月もの年月が経ってしまったことです。
もうあなたは私のことをお忘れになってしまったのではと思ってひどく寂しい気持ちでいます。
世の中の人の心は、目の前にいなくなればきっと忘れてしまうもののようですから」と言ってきたので、手紙をもらった男は、こういう歌を詠んで送ったのだった。
  あなたのお手紙の内容は私には心外なものでしたよ。だって、私の目の前にあなたがいない、などとは、私には思えないのに・・・あなたを忘れられる時など片時もないので、私のそばにはいつだって幻の姿のあなたが立っているように見えるのです  

現代語訳著作者=之人冗悟(のとじゃうご)・・・(C)2011http://fusaugatari.com/

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