宇治拾遺物語(巻十二 十九)155宗行の郎等虎を射る事

 今は昔、壹岐守宗行が郎等を、はかなきことによりて、主の殺さんとしければ、小舟に乗て逃げて、新羅国へ渡りて、かくれゐたりけるほどに、新羅にきんかいといふ所の、いみじうののしりさわぐ。「何事ぞ」と問へば、「虎の国府に入りてContinue reading… 宇治拾遺物語(巻十二 十九)155宗行の郎等虎を射る事

宇治拾遺物語(巻十二 二十)156遣唐使の子、虎に食はるる事

 今は昔、遣唐使にて唐土にわたりける人の、十ばかりなる子をえ見であるまじかりければ、具してわたりぬ。さて過ぐしけるほどに、雪の高くふりたりける日、ありきもせでゐたりけるに、この児の遊びに出でていぬるが、遅く帰りければ、あContinue reading… 宇治拾遺物語(巻十二 二十)156遣唐使の子、虎に食はるる事

宇治拾遺物語(巻十三 十二)172寂昭上人鉢を飛す事

 今は昔、三河入道寂昭といふ人、唐に渡りて後、唐の王、やんごとなき聖どもを召し集めて、堂を飾りて、僧膳を設けて、経を講じ給ひけるに、王宣はく、「今日の斎莚は、手長の役あるべからず。おのおの我が鉢を飛ばせやりて、物は受くべContinue reading… 宇治拾遺物語(巻十三 十二)172寂昭上人鉢を飛す事