宇治拾遺物語(巻三 十六)048雀報恩の事
今は昔、春つかた、日うららかなりけるに、六十ばかりの女のありけるが、虫打ち取りてゐたりけるに、庭に雀のしありきけるを、童部石を取りて打ちたれば、当たりて腰をうち折られにけり。羽をふためかして惑ふほどに、烏のかけりありき [...]
宇治拾遺物語(巻十二 二一)157或る上達部、中将の時召人に逢ふ事
今は昔、上達部のまだ中将と申しける、内へ参り給ふ道に、法師をとらへて率て行きけるを、「こはなに法師ぞ」と問はせければ、「年ごろ使はれて候ふ主を殺して候ふ者なり」といひければ、「まことに罪重きわざしたるものにこそ。心うき [...]
宇治拾遺物語(巻十三 四)164亀を買ひて放つ事
昔、天竺の人、宝を買はんために、銭五十貫を子に持たせてやる。大きなる川のはたをゆくに、舟に乗りたる人あり。舟のかたを見やれば、舟より亀、首をさしいだしたり。銭もちたる人、たちどまりて、この亀をば、「何の料ぞ」と問へば、 [...]
声