伊勢物語001)初冠
伊勢物語001)初冠 昔、男、初冠して、奈良の京、春日の里に、しるよしして、狩にいにけり。その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。この男、かいま見てけり。思ほえず、ふるさとに、いとはしたなくてありければ、心地まど [...]
伊勢物語008)浅間の獄
伊勢物語008)浅間の獄 昔、男ありけり。京やすみ憂かりけむ、あづまの方にゆきて、すみ所もとむとて、ともとする人、ひとりふたりしてゆきけり。信濃の国、浅間の獄に煙の立つを見て、 信濃なる浅間の獄に立つけぶりをちこち [...]
伊勢物語009)東下り
伊勢物語009)東下り 昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、あづまの方に住むべき国求めにとてゆきけり。もとより友とする人、ひとりふたりしていきけり。道知れる人もなくて、まどひいきけり。三 [...]
伊勢物語015)しのぶ山
伊勢物語015)しのぶ山 昔、陸奥の国にて、なでふことなき人の妻に通ひけるに、あやしう、さやうにてあるべき女ともあらず見えければ、 しのぶ山しのびてかよふ道もがな人の心のおくも見るべく 女、かぎりなくめでたしと [...]
伊勢物語023)筒井筒
伊勢物語023)筒井筒 昔、田舎わたらひしける人の子ども、井のもとにいでて遊びけるを、おとなになりにければ、男も女も恥ぢかはしてありけれど、男はこの女をこそ得めと思ふ。女はこの男をと思ひつつ、親のあはすれども、聞かでな [...]
伊勢物語061)染河
伊勢物語061)染河 昔、男、筑紫までいきたりけるに、「これは色好むといふすき者」と、簾のうちなる人のいひけるを聞きて、 染河を渡らむ人のいかでかは色になるてふことのなからむ 女、返し、 名にしおはばあだに [...]
伊勢物語065)在原なりける男
伊勢物語065)在原なりける男 昔、おほやけ思して使う給ふ女の、色ゆるされたるありけり。大御息所とていますがりけるいとこなりけり。殿上にさぶらひける在原なりける男の、まだいと若かりけるを、この女あひしりたりけり。男、女 [...]
伊勢物語066)難波津
伊勢物語066)難波津 昔、男、津の国にしる所ありけるに、あにおとと友だちひきゐて、難波の方にいきけり。渚を見れば、船どものあるを見て、 難波津を今朝こそみつの浦ごとにこれやこの世をうみ渡る船 これをあはれがり [...]
伊勢物語068)住吉の浜
伊勢物語068)住吉の浜 昔、男、和泉の国へいきけり。住吉の郡、住吉の里、住吉の浜をゆくに、いとおもしろければ、おりゐつつゆく。ある人、「住吉の浜とよめ」といふ。 雁鳴きて菊の花さく秋はあれど春のうみべにすみよしの [...]
伊勢物語069)狩の使
伊勢物語069)狩の使 昔、男ありけり。その男、伊勢の国に狩の使にいきけるに、かの伊勢の斎宮なりける人の親、「つねの使よりは、この人よくいたはれ」といひやれりければ、親の言なりければ、いとねむごろにいたはりけり。朝には [...]
伊勢物語072)大淀の松
伊勢物語072)大淀の松 昔、男、伊勢の国なりける女、またえあはで、隣の国へいくとて、いみじう恨みければ、女、 大淀の松はつらくもあらなくにうらみてのちもかへる浪かな 以下、アンチョコ現代語訳・・・作った人は→ [...]
伊勢物語075)海松
伊勢物語075)海松 昔、男、「伊勢の国に率ていきてあらむ。」といひければ、女、 大淀の浜に生ふてふみるからに心はなぎぬかたらはねども といひて、ましてつれなかりければ、男、 袖ぬれてあまのかりほすわたつう [...]
伊勢物語076)小塩の山
伊勢物語076)小塩の山 昔、二条の后の、まだ春宮の御息所と申しける時、氏神にまうで給ひけるに、近衛府に候ひけるおきな、人々の禄賜はるついでに、御車より賜はりて、よみて奉りける。 大原や小塩の山も今日こそは神代のこ [...]
伊勢物語081)塩竃
伊勢物語081)塩竃 昔、左のおほいまうちぎみいまそかりけり。賀茂川のほとりに、六条わたりに、家いとおもしろく造りて、住み給ひけり。神無月のつごもりがた、菊の花うつろひさかりなりに、もみぢのちぐさに見ゆるをり、親王たち [...]
伊勢物語112)塩焼く煙
伊勢物語112)塩焼く煙 昔、男、ねむごろにいひちぎりける女の、ことざまになりにければ、 須磨のあまの塩焼く煙風をいたみ思はぬ方にたなびきにけり 以下、アンチョコ現代語訳・・・作った人は→之人冗悟(Noto J [...]
伊勢物語115)都島辺の別れ
伊勢物語115)都島辺の別れ 昔、陸奥の国して、男女すみけり。男、「都へいなむ」といふ。この女、いとかなしうて、うまのはなむけをだにせむとて、おきのゐて、都島といふ所にて、酒飲ませてよめる。 おきのゐて身を焼くより [...]
伊勢物語117)住吉の岸の姫松
伊勢物語117)住吉の岸の姫松 昔、帝、住吉に行幸し給ひけり。 我見ても久しくなりぬ住吉の岸の姫松いくよ経ぬらむ おほん神、現形し給ひて、 むつましと君はしら浪みづがきの久しき世よりいはひそめてき 以下 [...]
伊勢物語120)筑摩の祭
伊勢物語120)筑摩の祭 昔、男、女のまだ世経ずとおぼえたるが、人の御もとにしのびてもの聞こえて、のちほど経て、 近江なる筑摩の祭とくせなむつれなき人のなべのかず見む 以下、アンチョコ現代語訳・・・作った人は→ [...]
伊勢物語122)井手の玉水
伊勢物語122)井手の玉水 昔、男、ちぎれることあやまれる人に、 山城の井手の玉水手に結びたのみしかひもなき世なりけり といひやれど、いらへもせず。 以下、アンチョコ現代語訳・・・作った人は→之人冗悟(Noto [...]
伊勢物語123)深草の女
伊勢物語123)深草の女 昔、男ありけり。深草にすみける女を、やうやう飽き方にや思ひけむ、かかる歌をよみけり。 年を経てすみこし里をいでていなばいとど深草野とやなりなむ 女、返し、 野とならばうづらとなりて [...]
声