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異国譚

宇治拾遺物語(巻三 七)039虎の鰐取りたる事

By のとじゃうご on 2009/05/17

 これも今は昔、筑紫の人、商ひしに新羅に渡りけるが、商ひ果てて帰る道に、山の根に沿ひて、舟に水汲み入れんとて、水の流れ出でたる所に舟をとどめて水を汲む。  そのほど、舟に乗りたる者、舟ばたにゐて、うつぶして海を見れば山の [...]

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宇治拾遺物語(巻六 九)091僧伽多羅刹国に行く事

By のとじゃうご on 2009/05/11

 昔、天竺に僧伽多といふ人あり。五百人の商人を舟に乗せて、かねの津へ行くに、にはかに悪しき風吹きて、舟を南の方へ吹きもて行く事、矢を射るがごとし。知らぬ世界に吹き寄せられて、陸に寄りたるを、かしこき事にして、左右なくみな [...]

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宇治拾遺物語(巻十二 一)137達磨天竺僧の行ひ見る事

By のとじゃうご on 2009/05/07

 昔、天竺に一寺あり。住僧もつともおほし。達磨和尚、この寺に入りて、僧どもの行をうかがひ見給ふに、ある坊には念仏し、経をよみ、さまざまに行ふ。ある坊を見給ふに、八九十ばかりなる老僧の、只二人ゐて囲碁を打つ。仏もなく、経も [...]

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宇治拾遺物語(巻十二 二)138提婆菩薩、龍樹菩薩の許に参る事

By のとじゃうご on 2009/05/07

 昔、西天竺に龍樹菩薩と申す上人まします。智恵甚深なり。また、中天竺に提婆菩薩と申す上人、龍樹の智恵深きよしを聞き給ひて、西天竺に行き向ひて、門外にたちて、案内を申さんとし給ふ所に、御弟子、ほかより来給ひて、「いかなる人 [...]

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宇治拾遺物語(巻十二 十六)152八歳の童、孔子問答の事

By のとじゃうご on 2009/05/05

 今は昔、唐に、孔子、道を行き給ふに、八つばかりなる童にあひぬ。孔子に問ひ申すやう、「日の入る所と洛陽と、いづれか遠き」と。孔子いらへ給ふやう、「日の入る所は遠し。洛陽は近し」。童の申すやう、「日の出で入る所は見ゆ。洛陽 [...]

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宇治拾遺物語(巻十二 十九)155宗行の郎等虎を射る事

By のとじゃうご on 2009/05/05

 今は昔、壹岐守宗行が郎等を、はかなきことによりて、主の殺さんとしければ、小舟に乗て逃げて、新羅国へ渡りて、かくれゐたりけるほどに、新羅にきんかいといふ所の、いみじうののしりさわぐ。「何事ぞ」と問へば、「虎の国府に入りて [...]

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宇治拾遺物語(巻十二 二十)156遣唐使の子、虎に食はるる事

By のとじゃうご on 2009/05/05

 今は昔、遣唐使にて唐土にわたりける人の、十ばかりなる子をえ見であるまじかりければ、具してわたりぬ。さて過ぐしけるほどに、雪の高くふりたりける日、ありきもせでゐたりけるに、この児の遊びに出でていぬるが、遅く帰りければ、あ [...]

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宇治拾遺物語(巻十三 七)167ある唐人、女の羊に生りたる知らずして殺す事

By のとじゃうご on 2009/05/04

 今は昔、唐土に、何とかやいふ司になりて、下らんとする者侍りき。名をば、慶植と言ふ。それがむすめ一人ありけり。ならびなくをかしげなりし、十余歳にして失せにけり。父母、泣かなしむことかぎりなし。  さて二年ばかりありて、田 [...]

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宇治拾遺物語(巻十三 十)170慈覚大師、纐纈城に入り給ふ事

By のとじゃうご on 2009/05/04

 昔、慈覚大師、仏法を習ひ伝へんとて、唐土へ渡り給ひておはしけるほどに、会昌年中に、唐の武宗、仏法をほろぼして、堂塔をこぼち、僧尼をとらへて失ひ、あるいは還俗せしめ給ふ乱に合ひ給へり。大師をもとらへんとしけるほどに、逃げ [...]

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宇治拾遺物語(巻十三 十一)171渡天の僧穴に入る事

By のとじゃうご on 2009/05/03

 今は昔、唐にありける僧の、天竺に渡りて、他事にあらず、ただ物のゆかしければ、物見にしありきければ、所々見行きけり。ある片山に、大なる穴あり。牛のありけるがこの穴に入りけるを見て、ゆかしく覚えければ、牛の行くにつきて、僧 [...]

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宇治拾遺物語(巻十三 十二)172寂昭上人鉢を飛す事

By のとじゃうご on 2009/05/03

 今は昔、三河入道寂昭といふ人、唐に渡りて後、唐の王、やんごとなき聖どもを召し集めて、堂を飾りて、僧膳を設けて、経を講じ給ひけるに、王宣はく、「今日の斎莚は、手長の役あるべからず。おのおの我が鉢を飛ばせやりて、物は受くべ [...]

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宇治拾遺物語(巻十三 十四)174優婆崛多の弟子の事

By のとじゃうご on 2009/05/03

 今は昔、天竺に、仏の御弟子優婆崛多といふ聖おはしき。如来滅後百年ばかりありて、その聖に弟子ありき。いかなる心ばへをか見給ひたりけん、「女人に近づくことなかれ。女人に近づけば、生死にめぐること車輪のごとし」と、つねにいさ [...]

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宇治拾遺物語(巻十四 一)175海雲比丘の弟子童の事

By のとじゃうご on 2009/05/03

 今は昔、海雲比丘、道を行き給ふに、十余歳ばかりなる童子、道にあひぬ。比丘、童に問ひていふ、「何の料の童ぞ」と宣ふ。童答へていふ、「ただ道まかる者にて候ふ」と言ふ。比丘いふ、「汝は法華経はよみたりや」ととへば、童いふ、「 [...]

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宇治拾遺物語(巻十四 五)179新羅国の后金の榻の事

By のとじゃうご on 2009/05/03

 これも今は昔、新羅国に后おはしけり。その后、忍びて密男を設けてけり。帝この由を聞き給ひて、后を捕へて、髪に繩をつけて、上へつりつけて、足を二三尺引き上げて置きたりければ、すべきやうもなくて、心のうちに思ひ給ひけるやう、 [...]

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宇治拾遺物語(巻十四 六)180玉の価はかりなき事

By のとじゃうご on 2009/05/03

 これも今は昔、筑紫に丈夫さだしげと申す者ありけり。この頃ある箱崎の丈夫のりしげが祖父なり。そのさだしげ京上りしけるに、故宇治殿に参らせ、またわたくしの知りたる人々にも心ざさんとて、唐人に物を六七千疋が程借るとて、太刀を [...]

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宇治拾遺物語(巻十四 十一)185高階俊平が弟の入道算術の事

By のとじゃうご on 2009/05/02

 これも今は昔、丹後前司高階俊平といふ者ありける。のちには、法師になりて、丹後入道とてぞありける。それが弟にて、司もなくてあるものありけり。それが、主のともにくだりて、筑紫にありけるほどに、あたらしく渡りたりける唐人の、 [...]

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宇治拾遺物語(巻十五 二)187頼時が胡人見たる事

By のとじゃうご on 2009/05/02

 これも今は昔、胡国といふは、唐よりも遙かに北と聞くを、「陸奥の地に続きたるにやあらん」とて、宗任法師とて筑紫にありしが、語り侍りけるなり。  この宗任が父は頼時とて、陸奥の夷にて、おほやけに随ひ奉らずとて、攻めんとせら [...]

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宇治拾遺物語(巻十五 十)195秦始皇天竺より来たる僧禁獄の事

By のとじゃうご on 2009/05/01

 今は昔、唐の秦始皇の代に、天竺より僧渡れり。帝あやしみ給ひて、「これはいかなる者ぞ。何事によりて来たれるぞ」。僧申していはく、「釈迦牟尼仏の御弟子なり。仏法を伝へんために、遙かに西天より来たり渡れるなり」と申しければ、 [...]

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宇治拾遺物語(巻十五 十一)196後の千金の事

By のとじゃうご on 2009/05/01

 今は昔、唐に荘子といふ人ありけり。家いみじう貧しくて、今日の食物絶えぬ。隣に監河侯といふ人ありけり。それがもとへ、今日食ふべき料の粟を乞ふ。  河侯がいはく、「今五日ありておはせよ。千両の金を得んとす。それを奉らん。い [...]

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