徒然草002)いにしへの聖の御代の

 いにしへの聖の御代の政をも忘れ、民の愁へ、国のそこなはるるをも知らず、よろづにきよらをつくしていみじと思ひ、所せきさましたる人こそ、うたて、思ふ所なく見ゆれ。「衣冠より馬、車にいたるまで、あるにしたがひて用ゐよ。美麗を求むるなかれ」とぞ、九条殿の遺誡にも侍る。順徳院の、禁中の事ども書かせ給へるにも、「おほやけの奉り物は、おろそかなるをもてよしとす」とこそ侍れ。
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