宇治拾遺物語(巻十 二)115放鷹楽明暹に是季が習ふ事

 これも今は昔、放鷹楽といふ楽を、明暹已講、ただ一人習ひ伝へたりけり。白河院、野行幸、明後日といひけるに、山階寺の三面の僧坊にありけるが、「今宵は門なさしそ。尋ぬる人あらんものか」と言ひて待ちけるが、案のごとく、入り来たる人あり。これを問ふに、「是季なり」と言ふ。「放鷹楽習ひにか」と言ひければ、「然なり」と答ふ。すなはち坊中に入れて、件の楽を伝へけり。
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