宇治拾遺物語(巻一 十二)012児の掻餅するに空寝したる事

  これも今は昔、比叡の山に児ありけり。僧たち、宵のつれづれに「いざ掻餅せん」と言ひけるを、この児、心寄せに聞きけり。「さりとて、し出さんを待ちて寝ざらんもわろかりなん」と思ひて、片方にて出で来るを待Continue reading… 宇治拾遺物語(巻一 十二)012児の掻餅するに空寝したる事

宇治拾遺物語(巻一 十三)013田舎の児桜の散るを見て泣く事

  これも今は昔、田舎の児、比叡の山へ登りたりけるが、桜のめでたく咲きたりけるに、風のはげしく吹きけるを見て、この児さめざめと泣きけるを見て、僧のやはら寄りて、「などかうは泣かせ給ふぞ。この花の散るをContinue reading… 宇治拾遺物語(巻一 十三)013田舎の児桜の散るを見て泣く事