宇治拾遺物語(巻二 九)027季通事に逢はむと欲する事

  昔、駿河前司橘季通といふ者ありき。それが若かりける時、さるべき所なりける女房を忍びて行き通ひけるほどに、そこにありける侍ども、「なま六位の、家人にてあらぬが、宵暁にこの殿へ出入る事わびし。これ、立Continue reading… 宇治拾遺物語(巻二 九)027季通事に逢はむと欲する事

宇治拾遺物語(巻十一 四)128河内守頼信、平忠恒を攻むる事

 昔、河内守頼信、上野守にてありしとき、坂東に平忠恒といふ兵ありき。仰せらるる事、なきがごとくにする、うたんとて、おほくの軍おこして、かれがすみかの方へ行きむかふに、岩海のはるかにさし入りたるむかひに、家をつくりてゐたりContinue reading… 宇治拾遺物語(巻十一 四)128河内守頼信、平忠恒を攻むる事

宇治拾遺物語(巻十三 一)161上緒の主金を得る事

 今は昔、兵衛佐なる人ありけり。冠の上緒の長かりければ、世の人、「上緒の主」となん、つけたりける。西の八條と京極との畠の中に、あやしの小家一つあり。その前を行くほどに、夕立のしければ、この家に、馬よりおりて入りぬ。みればContinue reading… 宇治拾遺物語(巻十三 一)161上緒の主金を得る事

宇治拾遺物語(巻十三 五)165夢を買ふ人の事

 昔、備中国に郡司ありけり。それが子に、ひきのまき人といふありけり。若き男にてありける時、夢をみたりければ、「あはせさせん」とて、夢ときの女のもとに行きて、夢あはせて後、物語してゐたるほどに、人々あまた声して来なり。国守Continue reading… 宇治拾遺物語(巻十三 五)165夢を買ふ人の事